パタヤで出会った元王者

先日行ってきたパタヤビーチでのお話です。
パタヤビーチはバンコクから車で3時間の距離にあります。
観光客に人気のリゾート地として知られていますが、
もともとはベトナム戦争当時の米兵の保養地として栄えた繁華街です。

上品な雰囲気のリゾート地というよりかは、観光客が酒を飲みに繰り出す風俗街といった感じでしょうか。
夜になると町全体が遊園地の様なネオン街に早変わり…
海沿いの店は、どこもかしこもお酒を出す店でひしめきあっています。
ちょっとお店を覗いてみましょう。



1階のオープンバーで客引きにムエタイのショーをやっているお店もありました。

こんな写真入カードを持って、客引きをしている人もいました。
おっかない顔してるけど、これって本物のベルト?



そう。このお方は「ヨードクンポン・シッタイブーン」のリングネームで闘っていた元王者です。
写真は25歳当時、ラジャのベルトはガイスウィットから、ルンピニーのベルトはジャルンサップから獲ったんだそうです。
現在は42歳との事ですが、今はパタヤの「THE PIER」というお店でムエタイショー役者としてリングに立っています。





元王者が今では酒場でムエタイ選手を演じて闘うだなんて、なんとも驚きましたが、
それと同時に少しばかりか寂しさを感じてしまいました…




ショーとはわかっていても、観ているうちについつい彼の勝利を応援してしまいました。
その試合は、前半はやられまくってレフリーストップ寸前までいくんですが、最後は現役時代も得意だった肘打ちでの逆転劇。
この日、元バンタム級2冠王は3RTKOで勝ちました。




試合後はバーの客席をまわりチップ(現金)を貰います。
ビアバーのムエタイショーといえど、彼のファンが大勢いる事に驚かされます。
ショーが終わったのは午前0時前。
パタヤの繁華街はこんなに遅くまでギンギンに栄えていますが、
多くのチップも集まり、これにて本日の公演は終了です。

パタヤに行くと昼間は海で泳いで、夜は酒を飲んで〜といった遊び事ばかりなりそうですが、
ビアバーのムエタイを見ていたら、それだけではないパタヤを垣間見る事が出来た、、そんな気がしました。




彼は歳もとって昔のように試合のリングには立てませんが、
こうしてショーの役者さんとしてリング(舞台)で自分の過去を演じる事が、
生涯ムエタイ選手として生きる、そんな彼の生き様なのでしょう。
ショーの試合前は、「寂しい事」と感じてしまってたんですが、
見終わったら、また明日もこのショーを見たくなっている自分がいました。


お店は、パタヤ海沿いのウォーキングストリート入り口にあるTHE PIERというビアバー群の中です。
ムエタイショーの時間は夜9時くらいから始まります。
パタヤに行く人は、是非、彼に会いに行ってみてください。

2th November 2010 LUMPINEE

10年11月2日、試合後のケム・シットソンピーノン(146P)
相手はプラカイセ−ン・シッオー(148P)
今回は2回目の対戦。プラカイセンが相手だったら、ケムが圧勝だろうと思いきや、、
両者は今年8月に対戦しており、その時はプラカイセーンが僅差で勝利をものにしている。
タイでは一見人気のない重い階級の試合だけど、この試合に限っては超面白かった。
次回シンラパ8号でも掲載する予定です。